命には、変えられない夫の一言
うちに来て、6年半。
モコは、ブリーダーの繁殖犬として生きてきた子。
4歳手前で保護され、わたしたちの家族になりました。サロンにもたまに顔を出してました。
最初のころは、ブルブルと震え、怖がって、ご飯をあげると「取るな!」と言うように食べていました。
身体はガリガリに痩せていて、体重2.2キロ
「どんな環境で育ってきたのだろう」と胸が苦しくなったのを覚えています。
それが今では、体重4キロ
自分のご飯をもう1匹が食べようとしても怒ることなく一緒に食べてたり、私の顔を見て、安心したようにペロペロと舐めてくれたり、お散歩では目を見て歩いてくれるようになりました。
クッシングに甲状腺そして糖尿病の病気が見つかってからは、毎日インスリンの注射が必要になりました。
ごはんの時間も、血糖値の数値管理も、
私たちにとっては2回目の経験。
でも、そんな日々のなかで、モコは私たちにたくさんのことを気づかせてくれます。
モコの病気が分かったとき、
頭をよぎったのは「この子を守るには、これからお金がかかる」という現実です。
毎日の同じ時間に注射。薬。
血糖値のチェック。
定期的な通院。
「家族として、できることは何でもしてあげたい」
そう思う一方で、不安もありました。
そのとき、夫が言ってくれた一言
「お金は、俺が稼げばいいだけじゃん」
「命には、変えられない」
その言葉を聞いた瞬間
胸の奥から「ありがとう」がこぼれました。
「どうにかしなきゃ」と、自分ひとりで抱え込んでいた気持ちが、そのひと言で、ふとほどけたのです。
「稼げばいいだけ」
一見、何気ない言葉のように思えるかもしれませんが。
私にとっては
「一緒に背負おう」「心配しなくていいよ」
そんな想いが全部詰まった、最高に優しい言葉でした。
どんな過去があっても、
どんな体調でも
命には、変えられない価値があること。
家族が笑って過ごせるのもモコのお陰なのです。
いつかきっと私は保護活動をしていきたいと強く思っています。
今されてる方に尊敬しかありません